Rerank-By-Example の変更点


本プロジェクトは,''「検索ランキングを人の手に取り戻す」''ことを目的としたものです.

#ref(03InteractionSearch_S.png)

#ref(rerank.jp.PNG,right,around)

ユーザの検索意図をシステムに伝えることは難しく,検索エンジンが返すランキングはユーザにとって好ましいものであるとは限らない.

そこで,検索エンジンが返す検索結果のランキングをユーザの「これはいる」「これはいらない」などの意図に沿って動的に再ランキングできるようにする仕組みを提供し,ユーザに検索意図を伝えることを可能とします.

GoogleやYahoo!など,すでにインフラ化された検索サービスの上でシェアを握るような次世代サーチの可能性を示すものです.

''[[Rerank.jp:http://rerank.jp]]'' にてシステムを運用中.~
また,2009年6月10日に,[[Yahoo! JAPANの実証サイト:http://labs.yahoo.co.jp]]にて,[[Rerank:http://search.yahoo-labs.jp/rerank/]]にてシステムが公開されております.

#clear


*内容 [#lc2a8293]

近年,ウェブ検索エンジンベンダーによりウェブ上の膨大なコンテンツがインデックス化されている.
検索クエリを入力して検索ボタンを押すだけで,即座に検索結果のリストを取得することができるため,ウェブ検索エンジンは情報検索においては欠かすことのできないツールであり,一種のインフラであるといると言える.

一方,ウェブ検索にはインタラクションに制約があるため,求める情報を得ることが簡単ではないという問題がある.また,多くのユーザは上位5件程度しか見ないことを逆手に取ったSEO技術の横行により,取るに足らない価値のないコンテンツが上位にランキングされており,ユーザは求める情報にたどり着くことができないなどの問題がある.

本プロジェクトは,下位にランキングされている情報を手軽かつ簡単に閲覧できるようにすることを目的としているものであり,検索結果のインタラクションにキーワードの選択と強調,削除を追加し,適合フィードバック的に再ランキングを可能にするものである.

ここでは,ユーザは興味のあるキーワードを選択し,強調することで,そのキーワードを含む検索結果を上位に再ランキングすることができます.また,興味のないキーワードを選択し,削除することで,そのキーワードを含む検索結果を下位に再ランキングすることができます.

実現したシステムは,食材の組み合わせにより料理が決定される料理の検索や,症状の組み合わせにより病名が決まるような病気の検索,観光地の組み合わせによりコースが決まるような旅行検索などに特に有用であることが分かっています.~
これはある種検索結果空間をふらふらと移動するものであり,目的とするものが決まっていない Informational Query に有用であるといえます.


*Publications [#z7ed8b06]

-山本岳洋, 中村聡史, 田中克己: Rerank-By-Example: 編集操作の意図伝播によるウェブ検索結果のリランキング, 情報処理学会論文誌 データベース Vol. 49, No. SIG 7 (TOD-37), pp. 16-28 (2008年3月).
-山本岳洋, 中村聡史, 田中克己: Rerank-By-Example: 編集操作に基づく検索結果の網羅的閲覧, 日本データベース学会 Letters, Vol.6, No.2, pp.57-60 (2007年9月). 
-Takehiro Yamamoto, Satoshi Nakamura and Katsumi Tanaka: An Editable Browser for Reranking Web Search Results, Proceeding of the 3rd International Special Workshop on Databases for Next-Generation Researchers (SWOD2007), pp. 31-36, in CD-ROM (Apr. 2007).
-Takehiro Yamamoto, Satoshi Nakamura, and Katsumi Tanaka: Rerank-By-Example: Efficient Browsing of Web Search Results, Proceedings of the18th International Conference on Database and Expert Systems Applications (DEXA2007), LNCS 4653, Springer, pp.801-810, Regensburg, Germany (Sep. 2007). [32%]
-Satoshi Nakamura, Takehiro Yamamoto, Katsumi Tanaka: Toward Editable Web Browser: Edit-and-Propagate Operation for Web Browsing, 9th ACM International Workshop on Web Information and Data Management (WIDM 2007), pp.73-80, Lisbon, Portugal (Nov. 2007). [20%]
-Satoshi Nakamura, Takehiro Yamamoto, Katsumi Tanaka: SyncRerank: Reranking Multi Search Results Based on Vertical and Horizontal Propagation of User Intention, The 9th International Conference on Web Information Systems Engineering (WISE2008), pp. 120-135, Auckland, Newzealand. (Sep. 2008). [28%]
-山本岳洋, 中村聡史, 田中克己: 編集操作を用いたウェブ検索結果の最適化, DEWS2007 (2007年2月).
-中村聡史, 山本岳洋, 田中克己: Editable Web Browser: 編集操作の伝播によるウェブ閲覧支援, 情報処理学会研究会 ヒューマンコンピュータインタラクション (2007-HCI-123), pp.59-66 (2006年5月).
-山本岳洋, 中村聡史, 田中克己: Rerank-By-Example: 編集操作の意図伝搬に基づく検索結果の網羅的閲覧, 情報処理学会研究会報告 2007-DBS-143, DBWS 2007, pp.447-452 (2007年6月).
-山本岳洋, 中村聡史, 田中克己: ウェブ検索結果に対する語ベース適合フィードバック情報の集約によるランキング, DEWS2008 (2008/03).
-中村聡史, 山本岳洋, 田中克己: 並列検索のための編集操作に基づく同期的再ランキング, 第70回情報処理学会全国大会 (2008/03).
-山本 岳洋,中村 聡史,田中 克己: Cross-Rerank: 網羅的検索のためのウェブサービス・クエリ横断インタフェース, 電子情報通信学会第12回Webインテリジェンスとインタラクション研究会(WI2-2008-22〜46), pp.1-6, 2008年7月.
-中村 聡史: ソーシャルアノテーションとユーザインタラクション, DBWeb2007 (2007/12).
-Satoshi Nakamura: Web Search Based on Human Interaction and Social Annotation, International Conference on Informatics Education and Research for Knowledge-Circulating Society (ICKS'08) (2008/01).
-中村 聡史: ユーザの手による検索ランキング, 第11回 Web インテリジェンスとインタラクション研究会, 電子情報通信学会 HCG 第2種研究会 (SIG-WI2) (2008/03).
-Takehiro Yamamoto, Satoshi Nakamura and Katsumi Tanaka: Reranking and Classifying Exhaustively Search Results Based on Edit-and-Propagate Operations, DEXA 2009, to appear (Sep. 2009).
-Satoshi Nakamura and Katsumi Tanaka: Video Search by Impression Extracted from Social Annotation, WISE 2009, to appear (Oct. 2009).
-Takehiro Yamamoto, Satoshi Nakamura and Katsumi Tanaka: TermCloud for Enhancing Web Search, WISE 2009, to appear (Oct. 2009).